チャンピオン【完】

13※シークイン





まるで祝勝会のような打ち上げがあった。

仕切り役のはずの兄貴は、宴会の最中も携帯にひっきりなしにかかってくる電話の対応で忙しい。

取材なのか試合の申し込みなのか、それとも両方?

兄貴の手帳はあっという間に真っ黒に埋まった。



「俺ノ戦歴ノ中ジャア、ベトナム戦争ガ一番酷カッタゼ... 思イ出シタクモネーナ」

「ジョニーさん、何歳なんですか?」

インド人は今日、試合に顔も出さなかったくせに何故か打ち上げには来ている。



反対に、主役であるはずの彼がいなかった。

私がキョロキョロしていたら、親切に練習生くんが教えてくれた。


「貴丸さんなら怪我してるから酒飲んじゃダメだって、一郎さんが来させませんでしたよ?」

「別に気になってないし!! 余計なこと教えてくれなくていいんで!」

「そ、そうですよね、すみません」

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