あひるの仔に天使の羽根を

・破壊 桜Side

 桜Side
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「駄目だ。時間がない!!!」



櫂様の悲痛な声で、私達は途中、促されるように空を見た。


少し太陽が傾いた空には、何かの煙が上がっていて。



それと同時に、煌も素っ頓狂な声を上げた。



「緋狭姉!!?」



見渡せど誰も居ない場所。


話には聞いていたが、遠隔感応力というもので会話しているのか。


慌てたり謝ったり、忙しい反応を見せていたが、やがて、嬉々とした声を上げて。




「本当か!!? ありがてえ。判った。5秒後な?」



さっぱり判らない話の内容だったが、煌は満面の笑みで。



「櫂。緋狭姉が、5秒後にレグの機械ぶっ潰すらしい!!!

今までその支度してたんだってよ!!!」



ああ、緋狭様、さすがです!!!



泣きそうな程の感謝を向けた刹那、


どこかで何かが爆発するような物理音がして。



私は――


何かの絶叫のような声を聞いた気がした。



それに訝しむと同時に、鏡に…稲妻のような青白い光が四方八方に広がって。


瞬く間にそれは消えた。


命が…散ったかのようなそんな光景。



「やばくないか!!? 何か変だぞ!!?」



遠坂由香が震える手で下の鏡を指差した。

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