トライアングル・ラブストーリー


二度と会いたくないのに、仕事に行けば嫌でも顔をあわせる


自然に自然にと思っても、体が勝手に拓海を避ける


周りから見れば明らかにおかしいだろう


沙織も苦笑いしながら
「そんなあからさまに避けなくても…」
と言っていた



私が拓海を忘れる日など来るのだろうか


そんなことを考えていると、辺りは薄暗くなっていた

今日は部長の家でお粥を作ることになっている


2人とも元気なのにお粥って…


でも美味しいって言ってくれたんだから、張り切って作っちゃお!!


そう思いながら会社のロビーを歩いていると、


「奈々!!」


私を呼ぶ大きな声


顔を見なくても誰か分かる


つい最近まで愛しかった人の声



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