トライアングル・ラブストーリー
私は振り返ることなく、歩みを進める
次第に大きくなる足音
息遣いがすぐ後ろで聞こえる
それでも歩みを止めない私の腕を拓海が掴んだ
仕方なく振り返り
「斎藤さん、何か用ですか?」
と低く冷めた声で問い掛けた
拓海は一瞬悲しそうな顔をした後、すぐに真剣な顔で話し始めた
「俺はっ…お前のこと「原田!!」
またも私を呼ぶ大きな声
声のした方を見ると、息を切らした部長がいた
「悪い…会議が少し長引いて…」
と言いながら拓海の方をちらりと見る部長