峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
峰岸へ


元気ですか?
峰岸が東京に行ってから、もう三ヶ月になりますね?

東京には、もう慣れましたか?

あたしは、バイトを始めました。
部活の帰り、峰岸とよく寄っていたコンビニで。

働くって初めてで戸惑ってばかりですが、何とか頑張っています。


峰岸は、何か始めましたか?







あたしは、峰岸に手紙を書いた。

峰岸のメアドはもちろん知っているし、たまにメールもしてる。


でも峰岸の行った高校は有名な進学校で、勉強が大変なんだと峰岸はメールをくれた。


邪魔になるのは嫌だから、あたしは次第にメールを控える様になった。

それに比例する様に、峰岸からのメールも減っていく。



淋しいな……。


淋しいよ、峰岸。


ホントは毎日、たくさんメールしたいんだ。

峰岸は今、何をしてる?

元気かな?

友達はできた?


あたしね、峰岸。

話したい事がたくさんあるんだ。

たくさんありすぎて伝えきれないから、手紙を書いてるよ。


それに、あたしはメールよりも手紙が好き。

機械的な物では伝わらない、気持ちが込められるから。
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