十月半ばになり新撰組に新たな色が加わった。

藤堂の熱心な勧誘と、近藤との話し合いにより意気投合した伊東甲子太郎が新撰組に正式に加盟したのである。



「平助さん、おかえりなさいっ」

「矢央ちゃん!!」


帰隊後も色々と忙しく動き回っていた藤堂と矢央が、久しぶりに再開したのは帰隊してから三日後。


今日も朝から旧知の剣の師でもある伊東に京の町を案内するため、忙しいそうにしていた藤堂をようやっと呼び止められた。

出かけ支度途中だった藤堂は荷物を床に放り投げたあと、ガバッと矢央に飛び付いた。


「わっ…」

「矢央ちゃんだぁ! 生矢央ちゃん! 元気してた?」


体を離し、驚く矢央の顔を覗き込む藤堂に最早羞恥心はない。

「な、ナマって? いや、はい元気でしたよ! 平助さんは?」

「良かったぁぁ。 僕? 僕は、まあまあかな? やっぱり、矢央ちゃんたちいなきゃつまんないよね〜、ハハッ」


にへらと表情を崩す藤堂を見て、やっと心に平穏が訪れた感じがした。

彼は此処でのムードメーカー的存在だからか、それとも無条件に癒されるのか。


「おーい、平助。 伊東さんが待ってるぜ」

「あ、新八さん! やばっ…じゃあ、矢央ちゃん行ってきます」


ニコッと微笑む藤堂に、矢央も微笑み返した。


「気をつけて行ってらっしゃい」

藤堂が帰ってきたことにより、また屯所が明るくなると思っていた。

が、その藤堂が連れてきた伊東によってまた波乱が起こるなどとは気付きもしない矢央であった。


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