――元治二年(1865)、一月。


新撰組幹部会合の場で、土方はあることを発表した。


「屯所を移転?」


誰かがボソッと呟いた次の瞬間、その場所に抗議したのは山南だった。



「土方君ッ君は何を考えているんだね!?」

「何がだ?」


ざわざわと部屋が波立つ。


「屯所を移転することに反対なわけじゃない! ただその場所が、何故に"西本願寺"でなくてはならないのだねッ!?」


近藤、土方は、池田屋事件などでその知名度が上がり、隊士がかなり増えたために手狭になった屯所を移転する計画を立てた。


その場所は、西本願寺。

土方が西本願寺に新撰組屯所を構える理由として、皆にこう告げたのである。


西本願寺は勤王の色が濃く、長州との関係が親密な寺であることから、土方は勤王派の動きを見張るためにも西本願寺に屯所を構える必要性を説いた。



「あの寺は、蛤御門の生き残りを匿ってやがったらしいじゃねぇか。 俺達としちゃ、そりゃ放っておかれねぇ話だろ」

「しかしッ!」

「恥をかかされたままでは済まさねぇ。 奴らには、丁度良い灸すえだ」


それに、と土方は尚も続けた。


「新撰組もそろそろ、剣以外の武器を入れ更なる発展をあげねぇと、この先の戦を勝ち残れねぇからな」


今の屯所では、隊士達に剣術を教えるだけでも一苦労な狭さ故に、このままでは隊士の成長の妨げになる。


更には、蛤御門の戦で土方は剣だけでは勝ち残れないことを悟った。


新撰組の発展のために、銃や砲弾も必要だと。


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