【短】ひこーき雲
暴露
「……谷川君?」


「あ、ごめん、何?」

彼女からの呼びかけによって意識を引き戻される。


「大丈夫…?顔色悪いけど…。」


「大丈夫だよ。」
俺は彼女に心配をかけないように笑顔をつくる。


でも……上手く笑えてるのか?

「そっか、なら良かった。

……あ、ちょっとごめん。」

彼女の携帯が軽快な音楽を奏でる。


「はい、もしもし?……陽介…何でかけてくるの!?


………うるさいなぁ、関係ないでしょ?

……それは感謝してるけど…。

わかった!!後で行くから!!うん、じゃあね。」


彼女が携帯をしまうのを見てから「陽介?」と聞いてみた。
< 18 / 29 >

この作品をシェア

pagetop