オフィスの甘い罠
3―衝撃の再会
     ☆☆☆☆☆



「……がわさん。香川さん!」



自分の名前が呼ばれてる
のに気づいて、あたしは
ハッと顔をあげる。



いつの間にか、デスクの
傍らに同じ部署の先輩
社員が立ってた。



「……あ、すいません。

何ですか?」



顔をあげた拍子にズレた
メガネを直しながら慌てて
尋ねると、



「イヤ、朝の周知メール
見たかって聞こうと思った
だけだけどさ。

どうしたの、珍しく
ボーッとして。

体調でも悪い?」



問いかけにあたしはプル
プルと首を横に振って、



「いえ、そんなんじゃないです。

すいません――メールです
よね。見ときます」



「そう? よろしく。

周知の件だけど、その日
残業お願いすることに
なると思うから。
何かあったら教えて」
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