君がいれば・・・①

別れ

垣根に囲われたベンチが3つほどあったが、今は瀬奈とシンしかいなかった。



シンは瀬奈の足元にうずくまり足首を触って、腫れと痛みを確認している。



「もう痛くないよ あたしおっちょこちょいだからいつもこけちゃうの」



シンの指が足首に触れてマッサージのように動かされると瀬奈の心臓は暴れだした。



シンは立ち上がった。



「腫れてはいないみたいだな」



「ぜんぜん大丈夫だから」



両手を身体の前でぶんぶん振る。



シンは微笑んでから瀬奈の隣に座った。



座った途端、セナにキスをしたくなった。



「セナ……」



名前を呼ぶと首を傾けて見てくれる。



「なあに?ジフン」



ジフンという名前が心地よく呼べるようになった。




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