君がいれば・・・①
瀬奈は腕時計をちらっと見た。



9時だ。



ドリームワールドの閉演は10時。



瀬奈の明日は仕事が休みだから遅くても大丈夫だが、ジフンは大丈夫なのかなって考えた。




店を出ると園に人はまばらだった。



「きゃっ」



瀬奈は何もない所で転びそうになった。



シンの繋いでいる手がなければ地面に転んでいる所だった。



もらったウサギのぬいぐるみはしっかり落とさなかったのだが。



「大丈夫?」



シンは瀬奈の前にかがみこんで、つまずいた方の足首に触れる。



「だ、大丈夫!ジフンのおかげで転ばずに済んだから」



瀬奈は自他とも認めるおっちょこちょいなのだ。



「ちょっと座ろう」



シンは瀬奈をベンチに座らせた。



ウサギのぬいぐるみも横に座らせる。





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