渇いた詩
素早く着替えたあたしは帰る準備をした。


「帰るの?もう1ラウンドやらないの?」


「やりません。帰ります。さようなら。もう2度と会うことはないでしょうけど、ごきげんよう」


そうまくし立ててあたしはホテルから出た。



「桜はツメが甘いなぁ」



そう男が言っていたことも知らずに……。
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