私の小指が教えてくれた事
悲惨な出来事


私は卓球部に所属していた。

伴奏の練習で忙しく、あまり部活に専念する事が出来ていなかった。

久々に、みんなで試合をする事になった。



ピン-ポン、ピン-ポン


試合が始まった。
卓球部でも一番強い人と試合する事になった。


いきなり、強烈なサーブが来た。私は勢い良くラケットを振った。

その時!!!


「痛っっ!!」
小指が痛くなった。卓球台に小指をぶつけてしまった。

「大丈夫ー??」
友達が心配してくれた。
「大丈夫、大丈夫!!ただの突き指だよー」
私は突き指ならすぐ治る、そう思い病院には行かなかった。


それから、何日しても痛みはとれなかった。
お母さんに相談した。

「痛みまだとれないよー」
「ユミ、いい加減、病院行ってみれば!?」

しょうがなく病院へ行く事になってしまった。

「長井ユミさーん!!」
看護師さんに呼ばれた。

診察室に入った。

「どうしたんですかー??」
「ちょっと部活で突き指しちゃったみたいでー」
「とりあえず、レントゲンとってみようか」

レントゲンをとる事に…


診察室に戻ったら、看護師さんと先生が真剣な表情をしていた。

「お座りください…」
「怪我は…??」
「靭帯が伸びてしまっています。これ以上動かすと一生小指が使えなくなります。テーピングをして固定します。」
それを聞いてビックリ…
テーピング??固定??そんなのしたらピアノ弾けないじゃん。
「あの…10月にある合唱コンクールで伴奏者をやるんですけど……」
「ダメです…!!クラスに迷惑がかかるとは思いますが…伴奏は諦めて下さい。」
ショックだった。だから…
「迷惑なんてかけられません、伴奏やらせて下さい。」
「長井さん、今、ピアノなんか弾いたら……、一生ピアノだって弾けなくなります。長井さんのためにも伴奏は……。」
「わかりました。諦めます」
私は嘘をついた。
諦めると言って伴奏をすることを決めた。
「では週に一度、診察しに来て下さい。」


私は病院の先生に嘘をついてしまった。そして病院を後にした…
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