私の小指が教えてくれた事



学校に戻ると…

また合唱の練習があった。みんなに迷惑はかけられないから怪我の事はしげちゃんにしか言わなかった。


伴奏を始めた。

ピアノに手を着く。痛みがあり違和感があった。
ピアノを弾いていると…

「ブチッ」
私の中で何かが切れる音がした。その音とともに痛さが感じられた。


一週間後、病院へ行った。

「長井ユミさーん」
診察室へ入った。
またレントゲンをとった。すると先生が…

「靭帯が……靭帯が切れています。このままだと確実に小指を使う事が出来なくなります。ピアノを弾かないとゆう約束…守らなかったんですか??」
先生は睨むように私の目を見つめた。
「は、はぃ…ごめんなさい。でも……どうしてもみんなに迷惑かけたくなくて。」
正直に言った。
「長井さん、私の負けです。長井さんの気持ちが良くわかりました。長井さんがいいなら…伴奏をしなさい。」
先生が許してくれた。

それから、私は靭帯が切れた小指に負担をかけないよう伴奏を続けた。


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