イマージョン
千春・香
私と同じ位の身長なのにストレートデニムが良く似合うハタチの千春。

新しいエプロンを身に着けていたから、新人さんだと直ぐ分かった。

私達は、直ぐ打ち解け仲良くなった。

ずっと下っ端だった為、新しく入って来た人が居て嬉しい。

千春は、私と同じで、ずっとフリーターをしていると言う。

何だ。私と同じ様な境遇なんだ。何だか安心した。

休憩時間は、千春と喋る機会が多くなった。

千春は、
「最初、美夢見た時、怖そうな人だなってビビっちゃったよ」
と言って来た。

そう言えば、ヤンキー座りで煙草を吸いながら、まじまじと、この人誰?って千春を見つめてしまったからだろうか。

「あはは。ごめんね。私は千春凄くスタイルいいなぁって見とれちゃってたんだよ。別にガン呉れてた訳じゃないんだよ」
「スタイル?そうかな~?全然だよ」
「そうだよぉ。私なんか此処のバイト始めて太っちゃってさぁ…」

自分そうで口にしてみて、改めて気が付く。やっぱりストレスの過食症なんだと。
過食症と言う言葉は知っていたけれど、今までのバイトでは、なった事無かったし、まさか自分が…と思っている。

同時に、スタイルの良い棒の様な脚をしている千春に対して日に日に軽く嫉妬と羨ましい気持ちになっていった。
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