ことりは彩乃と別れた後、教室に入り席に座った。

携帯を取り出し、兄にメールを打ちかけてやめるの繰り返しをしていると

席につけー、と言いながら教師が入ってきた。

携帯を閉じてポケットにしまいそのまま授業を受ける。

ちらちらとこちらを見て何かを話している女子生徒達を気にしないようにして

ことりは教科書に視線を落とした。

しかし、まったく授業の内容が頭に入って来ない。

(どうすればいいのかな、)

昨日、病院から帰るときは陽と自分の間に気まずい空気が流れていた。

そんな中、陽を遊びに誘うなんて無理かもしれない。


ハァ、と無意識にため息をついた。

けれど悩んでいても仕方がない。

彩乃には聞くと言ってしまったのだ。



次の休み時間、ことりは陽にメールを送った。










「陽君、今日は学校を休んでもいいのよ?まだ怠いでしょう?」

「今日はスカイのダンスレッスンもあるし、

学校帰りにそのまま行こうとおもってるから行くよ。

コンサートも近いから、休んでられないしな。」

「そう、無理しちゃだめよ。」

母親が心配そうにそういえば、陽は頷いた。

用意をするために一度家に帰ると、玄関前でスーツを着た男が立っている。



母親は車を止めると、その男に近づいた。

「あの、どちら様?」

「お久しぶりです、お母様。」

男は振り向き、二人に笑顔を見せた。


「っ、マネージャー!?」

陽は驚いて声をあげる。

「陽さん、お久しぶりです。目を覚まされたそうで、何よりですよ!」

これでやっと復帰できますね!と木村は嬉しそうに語る。