朝が待てなくて
■ 忍び寄る影

夏の終わり


約束通り、その夏、樹とわたしはいっぱい遊んだ。


週末にはデートして

そうそう、雫ちゃんや陸クンと一緒にプールにも行ったよ。


週中にもタイミングが会えば、樹はよく誘ってくれるようになった。


学校帰りに彼の会社で待ち合わせるってやつね。




「仕事減っちゃってヤバいぞ」


なんて樹はおどしてくるけど、わたしはこのくらいがちょうどいいと思っている。


ずうっと働きづめで心配だったもん。




収入が減ると困るのかもしれないけど、


会うと樹はいつも優しくて、それがただひたすらうれしかった。


< 527 / 771 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop