僕のスケープゴート

生け贄

苦しみと悲しみは強くなり、疲れた…。死ぬのだと思った時、娘…。が一人立っていた。私は動かずに娘を見る。






「山神…。どうか心を鎮めてください。災いだけはどうか…。私は山神のものです。食べるなりしてください！」





娘は震えていたが毅然と言い放つ。
暗い祠に一人で逃げずに…。





「私は…。私は人は食べない。帰りなさい。」






「私には帰るところがありません。」
涙が流れた。




私は苦しさで壁を叩いた。




娘は驚いていて逃げようとしたが祠に足を踏み入れた。大きな何かが暗がりにいた。






私はやっとの思いで心を保つ。暗がりから少し姿を出した。





後退り…。月明かりの下…。ナミは山神を見た。山神は人の形をしている。