I LOVE YOUが聴きたくて
魅麗は、振り返らなかった。

「こんな散乱した光景を見て、貴方のことを頼りになると思える?」

魅麗は、振り返らずに、静かに言った。

「怜とは、運命の出会いだと思ってる。こんな素敵な出会いは、味わったことがなかったもの。でも、………。今日の貴方には、がっかりした。こんな散乱した光景を見て、貴方のことを頼りになると思える?大事な自分の絵を、こんなに破って……。私は、最初に決心したとおり、私の人生を歩むわ。このことで、結婚のこととか考えないで。私達のことは、心配いらないわ。貴方は、貴方の素敵な人生を歩んでほしい」
そう言い残して、魅麗は、怜(ユウ)の手を取り、怜樹から、去っていった。
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