パシれメロス【短編】
グチャグチャドロドロの靴を靴箱に叩き込み上履きに履き替える。

そして階段を二段飛ばしでかけ登り僕らの教室へ。

引き戸を開け僕が一歩中へ入った瞬間、食後のゆるやかな空気の雑談でザワついた教室が一瞬で静まり返った。

そして僕の方を怯えたようにチラチラ見ながらヒソヒソ声が広がる。

僕はちっとも気にせず佐藤君にまっすぐ歩み寄る。

自分の席に座っていた彼は一瞬逃げるような素振りをするも、ゾンビの正体が僕だとわかると立ち上がって迎えてくれた。

「メロスよ、必ず戻ると信じていた」

僕らは向かい合いガッチリと握手した。

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