Tricksters
三分十四秒後に来るぞ
────朝起きて
満員電車で通勤。
もらった給料でスーツを購入。
気がつけば、青天目ビルヂングになんとなく馴染んでいる自分。
アイツに、こき使われて
個性派揃いのトリックスターズに振り回されながら
なんとか社員として働き続けてる。
雑用に近い仕事内容に、たまに“裏”の仕事を垣間見ながら
こっそり次の仕事を探しながら
俺は、それでも
トリックスターズで毎日を
過ごしていた。
「淳一くん、今日は総務部で働いてもらいます」
「総務には新人の仕事はないでしょう? 今日も企画部に来てもらうわ」
「内藤部長は、連れまわしすぎなんですよ! 管理部で備品の整理をやってもらったほうがいいんです」
「すみません……デメキンとの打ち合わせに連れ出したいのですが、あっすみません! おこがましいですよね。すみません」
俺って、何でも屋か?
ここに来て数日、時に総務部で給料明細の仕分けをやらされたり
時に管理部で、備品のダンボールを運ばされたり
要は、雑用係の王道を突き進んでいた。
俺的には、城田部長といるのが一番いいんだけど……
「ダメだ。今日の淳一は俺の仕事の雑用を手伝う。
はーい。出てってくださーい」