極悪彼氏
それすらわからなくなって、俺のデカいシャツを着て眠ってる小さいカラダを見つめた。



「激しかったんだね~」

「あ…?」

「コタにはこんな情熱的な部分があるのか~」



俺が脱がせたボタンの弾けたシャツを手にするツキト。



あぁ、そうか。



コイツらは勘違いしてたんだった…。



「顔、痣だらけじゃん。超サディスティックプレイ」

「俺じゃねぇよ…」

「じゃあ誰がここまで殴ったの?」

「知るか」

「自分のモノなら守ってあげなよね~」



だから俺のじゃねぇって。



ヤってねぇし。



「コタ、ちゃんと今の女と切れよ?ムーは悲しませてほしくねぇから」

「ムーって言うのか…。って、なんでだよ」

「わかんね。想羽さんの妹だからかもな。こんなチビのくせに…」

「チビだな…」

「想羽さんの大事なモノだったなら、お前が守るのが筋じゃねぇの?」



よく理解できなかった言葉なはずなのに俺の胸にスッと入ってきた。



痣だらけの姫は…心地よさそうに眠っていた。



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