Luck TesT
真也の携帯に、電話をかけようと電話帳を開いた時だった。

コツ、コツ、という音が聞こえてきた。


『もうすぐそこに戻ってくるから。寝たふりでもしてて』


真也の言葉を思い出す。
私は慌てて携帯をポケットにしまいこむと、結斗から少し離れた場所であおむけで横になった。

コツ、コツ、コツ、コツ。
ちょうど教室の前くらいで、音は止まった。

ガラッと扉が開かれる。
誰かがコツコツと、教室の中に入ってきた。

私のそばで、足音が止まる。


な、何!?


背中がじんわりと汗でにじむのがわかる。
心臓はうるさいくらい、バクバクと音を立てている。


聞こえてたらどうしよう!?


必死で息が荒くなりそうになるのを抑え、できるだけ深呼吸をするように、息をした。

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