使者の黙示録
「シスター、これから安全なところへ…」


シスター・マヤは、団司の言葉に聞く耳をもたない。


「わかった、シスター!」


その声に、ようやくシスター・マヤの足が止まる。

団司は観念するように言った。


「一緒に行こう、修道院へ」


それを聞いたルゼの顔に困惑の色が浮かぶ。


「いいのか、使者よ」


ルゼは、団司が戻ってくる間にシスター・マヤと話していたが

修道院のことについては、なにも触れてはいないのだ。


「仕方ない。いづれ分かることだ」


そう言う団司の顔には、やるせない想いが滲み出ている。

< 304 / 357 >

この作品をシェア

pagetop