使者の黙示録
けれども、いまのシスター・マヤに、そういう話を聞かせたところで

傷心の最中にある彼女は、とても聞き入れることができないだろう。


いままでシスター・マヤと一緒に過ごしてきたマザーやシスターたちが、その命を失うことは

シスター・マヤにとっては、自分の命が終わることよりも辛いことなのだ。


シスター・マヤは、その目に悲嘆の想いをあふれさせながら

悲哀に満ちた声をしぼりだす。


「こんな事になるなら、私もみんなと一緒に…」

「そんなことを言っちゃダメだ、シスター!」

「私は…っ」


あとは、もう言葉にならない。

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