使者の黙示録
真弥の瞳は、己の悲しい境遇を訴えてはいない。

まるで、いかなる運命をも受け入れ

自分に降りかかる不幸のすべてを洗い流し

それを優しさに変えてしまうのではないかと思うような

そんな真弥の瞳に、マザー・アミコは魅せられる。


一方的に愛情を求める年頃といってよい真弥は

その年齢で、すでに愛情をさずける側に立っているような、そんな雰囲気が伝わってくる。


(この子は、運命の申し子だ)


教団も、いつかは危機に陥るときがくると思うマザー・アミコは

真弥のなかに、その教団の危機を救う救世主をみる。

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