マスカレード【仮面de企画】
仮面の海―大野亜由美
美幸がいない

どこへ行っちゃったんだろう?


わたしは仮面をつけた人々の間を漂いながら、親友の姿を捜した。


「姫や、捜し人かえ?」


妙に時代がかった喋り方の女性が、わたしの横に並んだ。


わたしも女性にしては長身な方だけれど、その人はわたしより頭半分ほど背が高かった。

着物を思わせるような青いドレスは、光を弾いて銀色にも見える。

顔には顔半分を覆う銀の仮面をつけていた。


「ええ、一緒に来た友達を」


「白い衣装に、金の髪?」


わたしは思わず足を止めた。


「どこかにいました?」


仮面の下の美しい唇が、弓型の微笑を浮かべた。


「我が一族の者と部屋にこもっておる」


「あなたの一族?」


「羽竜じゃ。そなたも血は繋がらぬが、ゆかりのある者のようじゃな」

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