マスカレード【仮面de企画】
そう。わたしの家は羽竜家の縁戚にあたる。
この人はいったい誰だろう?
「美幸と一緒にいるのは巧さん?」
わたしの言葉に女性はうなずいた。
よかった
どうやらうまく巧さんに会えたようだ。
「友思いの姫や、今宵そなたは一人になってしまったようじゃな。どうじゃ、妾と夜会を楽しまぬかえ?」
この人と?
わたしを見下ろす目は黒というより深い藍色で、深い海の底に引きずり込まれるような気がした。
「ちゆ様、僕の友達を誘惑するの止めてくれます?」
明るい声が、わたしを正気に戻した。
「竜宮城に連れて行くなら別の人にして」
黒いタキシードに、プロレスラーがつける極彩色の覆面をした男の人が、腕を組みながらこちらを見ている。
「そなた、羽竜の中では面白い男だと思うていたが、年を取るごとに一番上の兄者に似てきたの」
女の人はため息混じりに言った。
「冗談でしょ? 僕は逆立ちしたって、あんなクソ真面目にはなれませんよ。ただ、友達と会えなくなるのは御免だっていうだけです」
この人はいったい誰だろう?
「美幸と一緒にいるのは巧さん?」
わたしの言葉に女性はうなずいた。
よかった
どうやらうまく巧さんに会えたようだ。
「友思いの姫や、今宵そなたは一人になってしまったようじゃな。どうじゃ、妾と夜会を楽しまぬかえ?」
この人と?
わたしを見下ろす目は黒というより深い藍色で、深い海の底に引きずり込まれるような気がした。
「ちゆ様、僕の友達を誘惑するの止めてくれます?」
明るい声が、わたしを正気に戻した。
「竜宮城に連れて行くなら別の人にして」
黒いタキシードに、プロレスラーがつける極彩色の覆面をした男の人が、腕を組みながらこちらを見ている。
「そなた、羽竜の中では面白い男だと思うていたが、年を取るごとに一番上の兄者に似てきたの」
女の人はため息混じりに言った。
「冗談でしょ? 僕は逆立ちしたって、あんなクソ真面目にはなれませんよ。ただ、友達と会えなくなるのは御免だっていうだけです」