修ちゃんがいなくなった部屋は、ガランとして寒かった。


あんなに情熱的に抱き合ったベッドも冷えてしまった。


私は、パラパラと医学雑誌をめくった。


救命救急の医師になってから、もう7年だ。


2年前に、腹部を包丁で刺された男性が救命に運ばれて来た。


私は、その男性の処置に当たった。そこで、話しを聞きに来た警察官が、修ちゃんだった。


修ちゃんは、必要もないのに事件が解決した事を、私に話しに来た。


そこで、夕食に誘われた。私は、断った。よく知らない人と話すのは苦手だ。


修ちゃんは、諦めずに私の元にやって来た。

少し、強引だったな。

私は、クスッと笑った。

強引な所は、長所でもあり短所でもあった。


でも、修ちゃんのそんな所が大好きだった。


私にはない、人懐こい所や、仕事にも恋愛にも熱い所も。


そして、私を真っ直ぐに見つめる瞳も、名前を呼ぶ低い声も、抱き締める時の力強い腕も大好きだった。


恥ずかしくて、修ちゃんに伝えた事はないけど。

もう1度眠ろうと思った矢先、電話が鳴った。

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