日常的幸福論~もうひとつの話~





美味しいご飯作ってあげたいって思うのも、




飛鳥の服を洗濯してるときの嬉しい気持ちも、




飛鳥がソファーでうたた寝してるときの寝顔が可愛く見えるのも、




ドラマで可愛い女優さんにキスしてるのを見て感じた胸の痛みも、




全部、全部、




飛鳥が好きだからだ。




「それで?沙依ちゃんが告白して飛鳥は何て言ったの!?」



「ん~……、忘れちゃった!!!」



「えぇ、そりゃあないよ!!それをネタに飛鳥をからかおうと思ったのに」




「飛鳥をからかうネタじゃなくて、馴れ初めの話が聞きたかったんじゃないの?」




「そうだった。うん、なんとなくイメージができたよ。ありがとう、沙依ちゃん」




「じゃあそろそろ帰ります」



「うん。曲出来たら真っ先に届けるから」



ひらひらと手を振るルイを背にあたしは事務所をあとにした。

< 75 / 124 >

この作品をシェア

pagetop