君のための嘘

完璧な人

「どういたしまして おやすみなさい」


ベッドルームまで案内したラルフは夏帆をその部屋に残し出て行った。


考えることはたくさんあるのに、眠すぎて思考が働かない。


ホテルのような真っ白なシーツに上に、倒れこむと夏帆は意識を手放した。


******


目が覚めると部屋はほのかなオレンジ色のライトに照らされていた。


私……?


ベッドカバーの上に寝ていたのに、ちゃんと掛布団がかけられていた。


ラルフさんだ……。


寝顔を見られてしまい、恥ずかしい気持ちだけれど、目が覚めた時にここがどこだかわかるようにライトをつけてくれた細やかさが嬉しい。


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