さくら色 〜好きです、先輩〜

那奈の恋


*那奈side*


「那奈!お待たせ」


そう言って、大きく手を振りながら走ってくる葵。

その顔は朗らかで、さっきまでの不安な心情は一切感じられない。

そんな葵を見たら上手く言えたことは一目瞭然で。

私まで嬉しくて笑みが漏れる。


「ちゃんと言ってきたよ!賭けも承諾してくれた」


そう満面の笑みでVサインをする葵は、本当に本当に可愛かった。


「そっか。良かった…ホントよく頑張って言ったね」


この数ヶ月間、本当に辛い時もあったと思う。

何度も冷たい目で突き放されて…

私だったら逃げ出したかもしれない。

だけど葵は諦めないで真っ正面からぶつかっていった。

そんなこと自分をしっかり持ってて芯が強い人じゃないとなかなか出来ることじゃない。




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