恋合わせ －私じゃ…ダメなの？－

ゲームＥＮＤ 「泣きの１回」

月曜日は祝日で休みだったから、あたしが新しい製造ラインで仕事をはじめるのは火曜日からとなった。

でも、仕事をやる気なんてまったく起きなくて、テキトーに仕事してるフリをしながら一日を過ごして、その日は寄り道もしないで、さっさと寮に帰った。


シャワーから出てきて、ぼんやりと髪の毛の水分をタオルで拭きとっていると…、

「プルルルルルル…」

…とケータイが鳴った。

「もしもし」

その電話は待ちわびた渋谷祐二からのものではなかった。

でも、その電話は、あたしを運命の分かれ道に立たせる電話だった。



あたしが高校卒業後、ずっとアルバイトインストラクターとして勤務していたスイミングスクールの女の人が今度“寿退社”をすることになったから、代わりにやってみないかという内容の電話だった。

ちょうど、このまま工場勤めを続けるかどうか迷ってたこともあって、あたしは久々にスイミングスクールに行って、とにかく話を聞いてみることにした。


「夏目先生、お久しぶりぃ♪」