雪が降る町~追憶のletter~


翌日の今日は快斗とバスが一緒ではなかった。
よかったような、がっかりしたような、そんな煮え切らない思いをしながらバスに揺られて晶は出社した。


「おはよう晶っ」
「おはよう」


更衣室に入ると、朝から元気に挨拶をかけてくれるありさ。
おそらく昨日のデートが円満だった為か、いつもより笑顔が2倍増しだった。


「今日は?お弁当?」
「んーん。今週は外」


晶がロッカーを開けながらありさの質問に答える。
ありさは既に着替えが終わっていて時間に余裕があるようだった。


「もしかして····朝帰、り」
「やぁぁぁだ!!!晶ッ」


ありさは晶の語尾に被せるように声を高く上げると照れたような顔でばしばしと肩を豪快に叩いた。



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