お仕置きしてやろうか?~ご主人様は俺様王子~
* 隠した傷跡

「いいって…何がよ。あたし達別になにもしてなかったじゃん。少しは言い訳すればよかったじゃん」


ミサトは泣きそうな顔で俺の両腕を掴む。


その目を見て思わず俺は苦笑いしてしまった。


ほんとこいつも真っ直ぐだな…


そういうところはあいつに似てなくもない。


「俺はさ、萌に嫌われた方がいいんだよ」


「なんで…」


「そうじゃなきゃ、あいつは俺のことを忘れられない」


「どうして、留学しなきゃいけないなら待っててって言えばいいじゃない」


もっともな言葉。


普通の人ならこういう時にこの言葉を俺にかけると思う。


でも、この状況はそんなに甘くはないから。


「それで、俺と萌が付き合ったままだったらどうなると思う?」

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