威鶴の瞳

ブラックリスト



トーマがいきなり立ち上がり、隠しきれない怒りの目でソラを睨む。

そろそろ暴れだしてもおかしくないんじゃないだろうか?

危機的状況にトーマに腕を伸ばそうとするも、片手は机で体重を支え、片手はソラに掴まれている。



そして机の端を掴むトーマをこの目に捉え。

まさか……やるなよ?やるんじゃないぞ?

ちゃぶ台返し的なことはもうするなよ?



なんて思ったところで。



「その辺でやめてやれ」



そう口に出したのは……今日初めて声を聞く、チョコだった。

視線だけでソラを見たチョコに、ソラはあっさりと俺の腕を離す。



「生意気。私に指図するなんて。でも可愛いから許してあげる」



そう言ったソラから、二人が初対面じゃないことを知る。

そう言えばさっき、トーマのことは甘ったるい奴(チョコ)から聞いたと言っていたような……。



「ステキなステキな威鶴くんのために、教えてあげる。チョコは私の幼馴染み、兼下僕」

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