天使の舞―前編―【完】
そんな穏やかな乃莉子の本屋さんライフに、良からぬ天使が入りこんで来たのだ。


そしてその邪魔者は、なんとメルヘンにまで侵入してきた。


出会った時、天使のコスプレで、悠彼方からやって来たと言った、俺様な彼。


目の前で繰り広げられた、信じられない出来事が、乃莉子に悠をより強く警戒させる。


何やら怪しげな技を使って、メルヘンで働く事を店長の宮田に了承させ、乃莉子に、井上悠と偽名まで付けさせてしまったからだ。


よくよく考えれば、出会い方からして、悠はおかしかった。


突然目の前に現れて、名付け親がどうの、ヨメがどうのと言っていた。


しかし…。


今の乃莉子は、仕事でてんてこ舞いしている真っ最中で、とても悠の事にまで、気が回らなかったのだ。

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