天使の舞―前編―【完】
「悠くんが天使って事、信じるのはいいけどさ。
名付け親だの、ヨメだの言われても、よく分からないよ。
それに、天界…?
それ、どこにあるの?」


「そうだよな。
分かるわけないよな。
ちょっと待ってて。
飯、食っちゃうから。」


悠はテーブルの前で上手に翼を折りたたみあぐらをかくと、またオムライスを美味しそうに食べ始めた。


「冷めちゃったでしょ?」


乃莉子が、申し訳なさそうに悠に聞いた。


「冷めても美味い。
最高に美味い。」


そんな何気ない自分の言葉を聞いた乃莉子が、ニコッと微笑んだ顔を見て、悠は無性に嬉しくなった。


ずっと乃莉子の笑顔を見ていたい。


悠をそんな気持ちにさせる程、乃莉子の笑顔は、魅力的であったのだ。

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