ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
不意にこないだのことを思い出す。

そっか。あたしは覚えてないけど、克己はあたしと……あたしの、体を……


「あ、ごめん、別にそういう意味じゃないんだ」


あたしの神妙な面持ちにあわてたのか、克己は急に顔を赤くしてぶんぶん手のひらを振った。


「……そういう意味って、どういう意味よ」

「……そんな怖い顔するなよ」


困ったように言う。


「気を悪くしないでほしいんだけど……。

別に痩せてるのが悪いって言ってるんじゃないんだよ。

でも、ちょっと健康なレベルの痩せ方じゃないなと思って」

「……?」

「別にオレ自身の好みとか、そういうこと言ってるんじゃないからね」


しつこく繰り返す。

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