ポイズン
さっきのは、俺の見間違いだったのか?

熱でもあるのかと聞きたくなるくらいの潤んだ瞳。

――ヤバい…。

頭の中で警告音が鳴る。

けど躰は欲望に忠実らしく、頭とは違う反応を起こしていた。

向けているのが俺の顔でよかったと思う。

首から下だったら大変だ。

「――正宗様…」

誰だよ“正宗”って。

違う男の名前を呼ぶ彼女。

彼女と目線をあわせた。

「名前教えて?」
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