桜の生け贄

江藤

ー数分後ー

「ついたよ。ここが江藤さんの家」

顔をあげた。

目が点になった。


すんげえ古い木造建築。しかも無駄にでかい。

前住んでたところは都会でマンションだったから、小さいし鉄だし正反対の家だ。


玄関にダンボールの山があるからここで間違いはないだろう。


俺はチャイムを押して俺のばあちゃん(?)を呼ぼうとした…が


「チャイムがない!!?」
「ああ。そうだった。江藤さんの家はないんだった。」

あずさは動揺なんか全くせずに、さらりと言った。


そして、あずさは玄関のガラスのドアに、手をグーにしてどんどんたたき始めた。


「江藤さーん!!悠輝くんつれてきましたよー!?」


1分くらいたたいたところでガラスごしに人影が見えた。

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