Welcome to the world
第一章‐藤高涼歌‐
「いい加減、チョコレートばかりの生活を改めては如何ですか?」
「必要ない」
即答だった。その間実に0.27秒。まるで、予め答えを用意していたかのように。
相変わらず漆黒に染まった部屋で、華蝶鈴の纏う純白のワンピースだけが栄える。それは、絶望の底で見つけた天使の様に見えなくもないが、実際は真逆の存在。厳密には、悪魔でもない。堕天使という言葉がこれほど似合う少女が他にいるだろうか?

はあ、と溜め息を吐いた僕ではあったが、彼女にこれ以上言及するのは止めておこう。三倍どころではない。何千倍になって返って来る事が目に見えている。
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