愛するということ
「家のことは放っておいて、絵のことに口出しするなんて、いい親面しないでよ!」


一通り言い終わってから後悔した。



一気にしゃべったせいか、息があがって上手く話せない。




今、完全にママに八つ当たりしている。
これじゃ、宿題やらずに怒られて逆切れした小学生じゃないか。




恐る恐る、ママの横顔を見た――
怒っているかと思ったママは、ジッと前を向いて運転している。




車内の静かな空気が、ずっしりと重い。

沈黙を破ったのは、ママだった。

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