夏の月夜と狐のいろ。

プロローグ


ズキンと頭が唸った。


目を開くとそこには自分がいた。


目を閉じたまま、自分はわらった。


不意にその自分はゆっくりと目を開いて
こっちをじっとみつめてわらった。



赤い目―・・・



背筋がぞくりと粟立って後ずさりした。


私の目は青よ!




自分だけど、自分じゃない。




にせものはわらう。



"私が本物になるのよ"

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