目を覚ました時、暗闇の中で自分がどこにいるのかわからなくて身を強張らせた。

 でも落ち着いて見ればそこは見慣れた斎の部屋。
 怯えた自分に笑ってしまう。

 斎が私をどこへ連れて行くというのだろうか?
 倒錯的な想像をした自分が恥ずかしくなる。

 近くには斎の姿はない。
 
 部屋にはカーテンが引かれ辺りは真っ暗だ。
 いったい何時なんだろうかと頭の上に置かれているボードに手を伸ばし、斎の目覚まし時計のライトボタンを押す。

 時計の青白く光る文字は、19時48分を表示している。

 斎の攻めがどれほど続いていたのかわからなかったので、自分がどれほど眠っていたのかすらわからない。
 起き上がろうと思ったが、体は鉛のように重く、ベッドから起き上がらずにまた眠ってしまいた気持ちが湧き上がる。

 ベッドから出る為、毛布をめくってみると、タンクトップにショーツを着けていたが、そのどちらとも今朝つけていたのとは違う。
 どうやら斎に着替えさせられたようだ。

 生まれたばかりの小鹿のように足をガクガクさせながら立ち上がると、壁に捕まって壁伝いに歩く。
 少しだけの距離なのに歩くのが辛い。

 何とかドアを開けるが廊下も真っ暗で、家には誰もいないかのようにシンと静まりかえっている。
 

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