ついていきます生徒会長‼

二人きり



「あ」
「あ」



「青木先輩!?」
「のどかチャン!」


…とある休日の事だった。


たまには一人で街へ買い物にでも行こうと思い

ついでに近くの書店で新刊を見ていた。


すると、青木先輩とバッタリ会った。



「のどかチャン、一人ー?」

「そうですよー先輩もですか?」

「うん、今日はね!」

「周りに女の子がいないのなんて珍しいですね」

「モテる男もたまには一人でいたいもんさ」


青木先輩の周りには…絶え間なく女の子がいる。

まあ…青木先輩は女好きだからね…。


「この後暇ならさー、オレと遊ばない?」

「え、この後ですか?」



うーん…別に暇だからブラブラしようと思ってただけだし…

今日は青木先輩に付き合ってみようかな?


「いいですよ」

「やったーっ!じゃあ、行こう!」


嬉しそうに私の腕を引っ張って書店の外へ出る。

もう、ホントに子供みたい。

思わず私の顔も綻んだ。


「どっか行きたいとこあるー?」

「うーん…特に…」

「じゃあ、オレゲーセン行きたい!」


それで、私達は近くのゲームセンターへ足を運ぶ事になった。


------


「ちょ、ちょっと先輩…私初心者です!もうちょい手加減して下さい!」

「もうこれ以上手加減のしようがないんだけど~?」

「あっ!あ、れ、あ…ま、負けちゃった…」

「アハハ、のどかチャン何回目?」

「も、もう一回!」

「またー?のどかチャンって意外と負けず嫌いなんだね!」


私と青木先輩は今ゲームセンターで対戦ゲームをやっている。

な、なんでこの人こんなに強いんだろう…



「………結局一回も勝てなかった」

「もうのどかチャン弱すぎ!」

そう言って青木先輩は腹を抱えて笑ってる。

キイイイむかつく!



「お詫びにぬいぐるみ取ってあげるよ。どれがいい?」

「えっホントですか!!?」

「うん。お好きなのをどうぞ」


やったあ、ぬいぐるみ!

んー…あの奥のがいいんだけど…あまりにも奥すぎて…

取れるかなあ…。


「決まった?」

「んー………あの奥のやつがいいんですけど…難しいですよね…」

「なーに、簡単簡単!任せろ!」


青木先輩は、UFOキャッチャーにお金を入れて

余裕そうに鼻歌を歌いながらUFOキャッチャーのハンドルを回す。

何と言うか…手さばきがもうプロだ…。

私の欲しかったぬいぐるみはあっという間に取れた。



「はい、のどかチャン!」

「わああ…すごい!ありがとうございます!」

「いえいえ!」


青木先輩すごい…

あんなの取れちゃうなんて…!

このぬいぐるみ、一生大切にする…!


「あと、オレちょっと行きたいところあるんだけどいい?」

「いいですよー!」



向かった先はショッピングモール。

買い物でもするのかな?

青木先輩、オシャレだしね。


「ちょーっとだけ買い物!付き合ってもらってもいい?」

「はい!」


入ったお店はちょっぴり派手なお店。

青木先輩っぽいかも。


「七宮葉って知ってる?」

「えーと…確かモデルの?」

「そうそう!オレの憧れの人!その人がプロデュースした服が入荷したって聞いたから…」


七宮葉。

風音が大ファンだっけ…。

噂によると昔はここら辺に住んでて、出身学校は鳴海学園だった気が…



「あったあった!!これこれ!!」


青木先輩が手に取ったのはちょっと露出の多い服。


「ちょっと着て来る!待ってて!」

「あ、はーい」


5分後。


……。


10分。


……。





遅!



「青木せんぱーい、まだですかあ?」

「あっちょ、あともうちょい待って!」


15分後。

…。

……………。


「えい!」

悪戯のつもりで試着室のカーテンを揺らした。


「あっこらこら、やめろ~!」

焦ったような声が中から聞こえてきた。

いい気味だ!


「はい、着れたよ!どう!?似合う!!?」

シャッとカーテンが開く。


どれどれ…。


わあ、すごい。似合う……。

露出は多いんだけど、青木先輩の体は意外とガッチリしてて

引き立っている。

デザインも青木先輩っぽいから、とても似合っている…。


「似合うじゃないですかあ!青木先輩カッコイイですよ!」

「マ、マジで!!のどかチャンがそこまで言ってくれてるから…買っちゃおうかな~!」


先輩ってば、気が早すぎ!

もうレジに持って行ってるし!



「お待たせ~!じゃあ、ここら辺店も多いし、ブラブラしよっか!」

「それがいいですね!」



----

「のどかチャンこういうの似合うんじゃない?」

「や、やです!!そんな露出度が高いの着れません…」

「えー…何だよーじゃあこれは?」

「た、丈が短すぎ…」



正直青木先輩の趣味にはついていけない。

なるほど…こういうのが趣味なんだね…

青木先輩の変態!


----


「はーっ!たくさん買い物したねー!」

「そうですねー!」

「そろそろ帰るか!今日は付き合ってくれてありがとね!」

「こちらこそ!」


青木先輩はあの後もまだ買い物をして

私も色々買った。

結構良い買い物した!






「すみません、おくってもらっちゃって」

結局青木先輩にも家までおくってもらった。

「いやいやのどかチャンが気にすることないよ!あっあとこれ」


青木先輩から手渡されたのは細長い箱。

…何だろう。


あけてみると、クロスのペンダントが入っていた。


可愛い…!


あっでも…。


「これって…」

「そう!オレのとおそろ!」

あっやっぱり。

なんか見た事あると思ったら…。

でも、青木先輩のと少し違う。


「オレのこのペンダントの女物のやつが出てたから、さっき買ったんだ。今日付き合ってくれたお礼!」

「い、いいんですか貰っちゃって…」

「いいよいいよ!よかったら付けてね!」

「ありがとうございます…!」

「いえいえ!また明日ねー!」


青木先輩は帰って行った。


……可愛いこのペンダント。

明日、学校に付けて行こうかな。




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