風紀委員長の取扱い説明書
■風紀委員会

├新入生歓迎会準備





「礼節と勤勉を重んじ、常に善を貫け。校則を破った者は私達風紀委員会が速やかに処分する。───以上だ。」


入学式の日。


あの人は、そう言って僕の心を奪い去った。


鋭い瞳の中に宿る眼光も、威圧的な声音も、うっとりする程妖艶な美貌も全部、目を潰されるのではないかという程魅力的だった。


本当に、今までの恋愛が色褪せて見える。


あんな女たちは、あの人の足元にも及ばない。


≪美しい≫という形容詞が最も似合う女性、それがあの人だった。


どうしたらあの人に近づけるのだろう。


どうしたらあの人の特別になれるのだろう。





一年前の入学式。

僕は、焦がれるような恋慕をこの胸に抱いた。



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