キラリ
私は綺麗になる努力も、勉強も友達付き合いも

あんなに頑張ってきたのに。


そんな今までの努力が全部、無駄になってしまう。


千明はただピアノを――

好きな事を続けてきただけで、目の前にチャンスが転がり込んで来る。


幸せになる権利が与えられる。


これってずるくない?



自分の病にも、それから千明にも、腹が立った。


私が腹を立てたところで

どうなるものでもないけど。


でも悔しい。



なぜ、こんな事になってしまったんだろう。


どうしてこんな目に遭うのが、よりによって私なんだろう。



やり場の無い怒りに「なぜ、どうして」という問いが頭の中を巡り続け

私はその日を悶々と過ごしたのだった。
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