いじめのその先

「あの…遅れてごめんなさい。」

「もぅ。また遅刻よ、飯田さん!」

飯田と呼ばれた女の子は、私の前の学校に居た子に雰囲気が似ていた。
ショートカットの黒髪で真ん中に垂らしている。

「すみません。」

「良いから席に着きなさい。」

「はい…。」

「さぁ、相原さん。貴方はあそこに着いて。」

「はい。」

そう先生に言われた場所は、さきほどの女の子の真後ろの席だった。

「よろしくね♪」

「こちらこそ!」

席に着くなり隣の席の子に挨拶を交わし、前の席に向かって小さく「よろしく」と言った。返事は返って来ないも、コクリとうなづいたように思えた。
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