黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
 
 
「吉良……後悔するよ」



…驚くほど、冷たい声だった。

その声に一瞬驚き、声の方向に首を回す。


…やはり小町屋だ。


彼女は、俺にプレッシャーを与えるような深刻な表情で続けた。


「今年転校してきたばかりのあんたにはわからないかもしれないけど、そして別に、あんたを心配するわけじゃないけど…
…あいつらにだけは、関わらないほうがいい」


…普段のお調子者の小町屋からは想像もつかないくらい、低くて、抑揚のない声だった。

小町屋は続ける。


「…これは忠告じゃなくて、警告だからね?」


……。


…それは彼女の狙い通りだったのかもしれない。

けれど、その刺すような言葉に、ここ何年も感じたことのない、プレッシャーのようなものを感じた。


体勢を直し、小町屋の顔を見直す。

…が、先ほどの警告と正比例した、突き放すような冷たい表情をして、こちらを見つめるだけ。

隣りの司を見れば、心から心配するような様子で、小町屋の警告に対する俺の対応を伺っている…。


…心なしか、足に受けるバスからの振動が、強くなった気がした。


【選択】

A:それでも俺は、良雄たちに話しをするという決定を覆さなかった。
→【次のページへ】

B:俺は、みんなにこんな表情をさせてまで、実行するべきではないと思い直した。
→【256】
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